社会人3

もう一度、手を油で汚れる仕事をしていきたいと思い、車の生産工場で働くことになる。
自分に子供が二人も恵まれて、もう何があっても引き返さないと決めていた。
現場に配属されてからすぐに気が付いた事は、こんな自分の事を信用してくれる人がまだいたんだ。
そんな思いがあった。
会社の中で、自分を認めてくれる人のために仕事をしたいと初めて思った。
ただ一心不乱に、家族と会社で自分を信じてくれる人のために。
やはり、仲間からは批判はあったようだが、その時に決めていたことは
出る杭は打たれる。でも、出すぎると認めれれると信じた。
信じた甲斐があって、途中入社でも16年後に、監督職となった。
自分に部下ができたのは初めてのことである。
一心不乱に仕事ばっかりの毎日。
やっぱり自分にミスはなくても、部下のミスは自分のミス。
どんな不具合があっても自分の責任。その為の全ての対応。
1か月のうちで、会社に出社しなかったのはが3日だけ。そんな地獄のような日々が続いた。
でも、監督職を続けられたのは、最後まで信じてくれた人がいたから。
6年間で監督職を役職定年となった。
最後には自分のために、役職定年のお祝いの宴会を部下たちが催してくれた。
自分のための宴会なんて生まれて初めて。
ひとつの時代が終わった事を実感してた。
そして、一般の作業者に戻った。

AFTER                                                                                                     NEXT

PLOFILE

前の記事

社会人2
PLOFILE

次の記事

そして再出発