花嫁と父
あの日の事は、今でもはっきり覚えています。
それは9月12日 、長い廊下の片隅で僕は立ったままで、いつまでもその時を待っていました。
扉の向こうでは、嫁さんが一生をかけた出来事を迎えていた。
そして、その時はやって来ました。
その子の第一声が廊下に響いた瞬間、まるでテレビドラマの主人公になったようで、感激のあまり自分がどうしたか
覚えていないくらいでした。初めての自分の子供の誕生でした。
その子がいくつになるまで、友達感覚で接してました。
長女は学校の友達の事、クラブの事いろんな事を話してくれました。
高校を出て東京の学校へ行きたいと言った時には、全く反対はしませんでした。
そして産声を聞いて26年が経過し、13日の午後4時に長女と埼玉県大宮市で一緒にヴァージンロードを
歩く事が出来ました。
私が長女にしてやることはもうありません。
長女の笑顔を、相手の男性に任せる日が来たのです。
この日を迎えて、本当に全ての出来事に、そしてすべての人に心からありがとう。