夜行 京都鞍馬の火祭りを舞台に
10年前京都の鞍馬の火祭りの見学の時に英会話スクールのひとり長谷川さんが姿を消した。
そこから始まる、背筋がぞっとする怪談・青春・ファンタジー。
英会話スクールの仲間5人の日本各地で起こる、不思議な怪談ミステリー。
話は、尾道・奥飛騨・津軽・天竜峡そして、鞍馬へと続く。
不思議なことに、全員が銅版画家 岸田道生の「夜行」と言う連作絵画を目にする。
その絵は、永遠に続く夜を思わせた
ストーリーの舞台となる京都市内の風景が、季節の移り変わりとともに描かれていて味わい深かったです。
鞍馬山や賀茂川などの有名な観光スポットばかりではなく、出町柳から百万遍通りまで何気ない路地裏や街角までが
目の前に思い浮かんできます。
久しぶりの仲間たちとの再会を喜んでいた主人公の大橋に、降りかかる不可思議な一夜の体験が忘れがたい。
学生時代のかけがえのない思い出とともに、やがては日常の生活へと帰っていくクライマックスが感動的。
夏に向けた怪談ミステリアスストーリーを、ぜひお楽しみ下さい。
作者
森見登美彦
森見 登美彦(もりみ とみひこ、1979年1月6日 – )は、 奈良県生駒市出身。
奈良市在住。ペンネームは本名の姓「森見」に、この地にゆかりの深い登美長髄彦を合わせたもの。
奈良女子大学文学部附属中学校・高等学校(現:奈良女子大学附属中等教育学校)卒業。
京都大学農学部生物機能科学科応用生命科学コースを卒業、同大学院農学研究科修士課程修了。
在学中は体育会のライフル射撃部に所属した。
人気作品
『夜は短し歩けよ乙女』
『有頂天家族』
『走れメロス 他四篇』
『四畳半神話大系』
『太陽の塔』
『宵山万華鏡』
『恋文の技術』
『ペンギン・ハイウェイ』
『聖なる怠け者の冒険』