友よ

昔の友人に会った

彼に初めて会ったのは、まだ18歳の時だ。

あの頃は自動車が好きで、整備士を目指して名古屋の学校へ向かって十数名の仲間がいた。

集まったみんなが、まだ何も知らない頃で、一人前のエンジニアを目指していた。

自分は、ただ整備士になって京都に帰りたい思いだけで頑張っていた。

モーレツなスパルタ教育のもと、一年が終わりみんなが京都へ帰って来た。

そして社会人となり、いろんな営業所で各人が頑張っていた。

でも、年数が経つと一人一人と何処かへ行ってしまった。

もちろん私も世間に裏切られた思いで、去っていった一人である。

みんな去ってしまったなあ そんな思いがしていた。

   なかでも、一人は行方不明のようにいなくなった友人がいる。先日会ったのは、その彼である。いなくなった数年後に、彼を見つけ出す事が出来て連絡先だけは知っていた。

意外にも時がたって彼は、自動車のよろず屋を自分で開業していた。

今回はその彼に、仕事を依頼したことで会った。

  彼に会った時の話で、昔整備士を目指していた仲間が、業界を離れた者・海外で暮らしている者・そのまま会社にてノイローゼになった者・中には営業所の所長まで登りつめたが、自分で退社する事を余儀なく決めた者・自分で店をかまえて成功している者など、あいつはどうした・こうしたの話ばかり。

  自分は店を持つなんて考えたこともなく、資格や自分の持ってる技術で会社組織の中にいる。あの頃のみんな十代の頃から十数年がたって、自分の選んだ道で頑張っている。

  今まで自分も必死で、毎日1日14時間くらい仕事をして来たし、一ヶ月で3日しか会社に行かなかった月も何回もあった。

  そんな自分も、もう何かの終わりの時を意識するようになった。会社員ですと人に言うのが、あと数年で終わるのである。どんな終わり方をするのか?

  自分は小さい頃から、どんな夢を持っていたのか?

  そのいくつかの夢は、どれだけ叶える事が出来たのか?

  今の自分に満足していますか? 

  このあと人生をかけてやりたい事はなんですか?

  自分探しの旅は、まだまだ続くようです。