犯罪者 上・下 太田愛
この物語は、駅前広場にいた5人が通り魔によって殺されるとこから始まる。
被害者は性別・年齢・出身やその日その場所に来た都合など、何のつながりもない人たち。
かろうじて一人の青年が助かり病院へ。
その病院で突然見知らぬ男性から、
「あと 10日生きろ そうすればすべてが終わる」と言われる。
駅前の5人は、なぜ襲われたのか? その5人の関係とは?
突然現れた男の「あと10日間」の意味とは?
そんな中、世間では奇妙な幼児の病気が発生していた。
何の罪もない保育園の子供たちが、保育園に食品メーカーからサンプルとして配られたベビーフードによって
とりかえしのつかない病にかかってしまう。
ベビーフードを配布した大企業は、自己責任を回避すべく犯罪まで企てて隠ぺい工作を実行する。
後に分かるが、駅前の無差別殺人
なぜ被害者は殺されなければならなかったのか?
この一連の謎に立ち向かう数名の勇者。その勇者の中には、かろうじて通り魔殺人から一人の若者がいた。
ここから壮大な謎が解き明かされていく。
そして彼らは人生をかけてひとつの理想郷を目指す。
最後の最後まであきらめなかった彼らは理想郷にたどりついたのか?
話は少し変わりますが、
企業というものは、都合が悪くなるとすぐに他の企業や個人のせいにする。
また被害者には文面で謝罪するが、本人は他人事のように謝罪のためのプログラムを消化しているにすぎない。
私の経験を少し話せば、過去にM自動車がクレーム隠しや反社会勢力に利益供与をしていた問題で
会社役員が引責辞任したという。
でも、結局は関連会社の役員に収まっている。何の責任も感じていない。
会社幹部は定年手前で失業しても、何の技術も持っていないから路頭に迷うからでしょうか?
「明日は我が身」と思い逃げ道を作っているのでしょうか?
事件の真実を追求し、被害者に救いの手を差し伸べた人たちの思いに頭が下がります。
作家紹介 太田 愛
香川県高松市出身。青山学院大学仏学科科
大学在学中より始めた演劇活動を経て、97年TVシリーズ「ウルトラマンティガ」でシナリオライターとしてデビュー。2012年に『犯罪者 クリミナル』で小説家としても執筆活動を始める。2014年、小説「幻夏」で第67回日本推理作家協会賞(長編および連作短編部門)にノミネート。日本脚本家連盟会員。日本文藝家協会会員。
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