D列車で行こう    阿川大樹

阿川大樹の第3回目の紹介です

D列車 本の表紙から電車好きにはたまらないマニアックな小説かと思いきや、

とんでもなく自分がやり残したことを、ちゃんと考えさせてくれる作品です。

廃線が予定されているローカル線を舞台に、立派な経歴をもった3人組が労力とアイデアを

いっぱい活かして赤字から黒字路線に立て直そうとする物語。

三人が奮闘を始めたばかりに、その中の一人が「考えても、考えても道は見えて来ないというのに、

目の前に差し込んでいる見えない光をかんじるのだ。」そんなせりふがあり

目標を見失うことがなかった者、遠回りでも決して諦めずに行動を続けた者がやっぱりすごいんですよね。

私は鉄道ファンでなく電車には詳しくありませんが、ひとつのサクセスストーリーとして十分に

楽しめる一冊の本です。

今考えれば、10歳のころ百貨店の屋上の遊び場で、私はいつもロボットの前に座ってました。

座った前にボタンが4個あり、一つづつ押すとロボットの首が左右に動き、次のボタンで胴体が左右に動き、

次のボタンで右腕が上下し、最後のボタンで左腕が上下させる10円で3分間しか動かせませんでしたが、

何回も遊んでいた事を思い出してました。これが最近まで産業ロボットの中で6軸ロボットをコントローラーで

動かしてました。小さい頃の遊びが、今の仕事につながっているのを嬉しく思います。

この本を読んだもう一つの感想は、

この年齢になり、子供も独立しローンも返し終わて、青春時代に欲しかったものを、いよいよ買ってやろうかと

思います。こんな素敵なフレーズがありますが、今の私には欲しい物が何か見当たらず、手に入れたいものは初恋の人との

二人だけのデートだったりして。

気にいったフレーズが、ほかにもこんなのがあります。

「もしかしたら、あとから取り戻した人生の方が、本当の自分の人生なのかも知れない。」

人生の役目を果たした今、やりたいことに気がついて、好きなだけ出来る事の幸せ。

近所に年配の男性ですが、ガレージにフォルクスワーゲンとハーレーダビッドソンがあり

一日中メンテナンスしている方がおられます。ホントにいい顔してマシンをいじってますよ。

まさにこの本が教えてくれた「こんな生き方はどう?」と言ってるみたい。

十分に楽しませてもれえた一冊の本でした。 また、大切にしたくなる本が一冊増えました。

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