顔に降りかかる雨      桐野夏生

女性版ハードボイルドなサスペンス小説。

主人公の友人女性がどうやら大金を持ち逃げしたらしい。

そのせいで主人公のところにヤクザが押しかけてくる。何と迷惑な…。

成り行きで,友人女性を探すことになった主人公。あちこち訪ねまわっている間に少しずつ真相が見えてくる…。

村野ミロシリーズ第1弾

1億円とともに消えた親友の行方を追うハードボイルド。

ミロは特に格闘術が強いとか、特別なにかに秀でているというわけではない。

それでも失踪した友人の姿を浮かべながら行方をどこまでも追う芯のあるキャラクターだ

死体写真愛好家やネオナチなど。盛り込み過ぎの感もあるが、徐々に真相に迫るくだりは読み応えあり。

大どんでん返しの真犯人にびっくり

ハードボイルド小説や大どんでん返しが好きな読者にはたまらい作品でシリーズ作も読みたくなる

作者 桐野夏生  

桐野 夏生(きりの なつお、1951年10月7日 -)は、日本の小説家。石川県金沢市生まれ。

別のペンネーム野原 野枝実(のばら のえみ)や桐野 夏子の名でロマンス小説、ジュニア小説のほか、森園みるくのレディースコミック原作も手がけていた。 

妊娠中に友人に誘われ、ロマンス小説を書いて応募し佳作当選。以後、小説を書くのが面白くなって書き続けたという。

ミステリー小説第一作として応募した『顔に降りかかる雨』で第39回江戸川乱歩賞を受賞。

ハードボイルドを得意とし、新宿歌舞伎町を舞台にした女性探偵、村野ミロのシリーズで独自の境地を開く。

また、『OUT』では平凡なパート主婦の仲間が犯罪にのめりこんでいくプロセスを克明に描いて評判を呼び、

日本での出版7年後に米国エドガー賞にノミネートされ、国際的にも評価が高い。

代表作に『顔に降りかかる雨』(1993年)、『OUT』(1997年)、『柔らかな頬』(1999年)、

『グロテスク』(2003年)、『東京島』(2008年)など。2015年に紫綬褒章を受章。

2021年5月25日より日本ペンクラブ第18代会長に選出され、女性初の会長となった。

顔に降りかかる雨を一度手に取ってみてください

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